Unfinished Room
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ペットボトルのラベルを、嬉々としてはがす

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週に一度の資源ごみの日。シンクの横が定位置のペットボトル。気が向いたらキャップとラベルを外して、ゴミ袋にまとめる。

だいたいの人は面倒に思うであろうこの作業、実は私は嫌いではない。というより、むしろ好きな方だ。

ペットボトルを軽くゆすぐ。水で手が濡れる。ビニールの端っこを爪でひっかけるのが大変。なかなかはがれない。はがす箇所がうまくちぎれない。ラベルをはがし終えたら、ペットボトルを床に2つ並べて、その上に足を置く。ばりばりとひしゃげる音がする。ひしゃげたペットボトルを、ゴミ袋に放り込む。

……細々と面倒で、失敗も多々ある作業のどこかに、ちょっとした達成感がある。時々、完璧にぺろんとはがれた時なんて、内心ガッツポーズである。

ペットボトルの中身を空にするごとにやればいいのだが、なぜかちょっとした山にならないとやる気が湧かない。少し山が高くなった頃に、お気に入りのポッドキャストを流して取り掛かるのが、楽しいのだ。

よく「低いハードルの目標を設定すると、やる気が湧く」なんて言われる。まさにその最たるものである。ペットボトルの山をなくすという、とんでもなく低い目標。

「ちゃんとやっている」ようでいて、全く「ちゃんとしていない」。そのバランスの妙が、どこか私のやる気をそそるらしい。

資源ごみの日に、ペットボトルがつまったゴミ袋を出しに行く。回収場所に並ぶ袋には、同じようにひしゃげたペットボトルたち。

みんな似たようなプロセスを、いちいち踏んでいるのだろうか。なんだかちょっと、おかしくなった。

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