短歌
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紆余曲折

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古い本あなたの名前あるせいで十何年も本棚にいる


推しと呼ぶ熱はあるのかわからねど今も変わらず君が好きだよ


建築の別の顔ある水たまりさざなみ立てぬように眺める


豪雪におびえる荷物念を入れ膨れ上がった私のバッグ


道をゆく車がかぶる綿帽子雪の斜面の黒き山々


陽の光ふちどる髪のやわらかさ心のレンズ君を切り取る


さくさくと白き歩道にスタンプを押せば私の靴の黒影


雪の宿ひとり髪すき乾かせば頬は紅色白髪はきらり


愛しきがゆえに辛辣その棘は古傷となり胸に棲みつく


太ってはいないと笑い言いながら静けさの後、腹を揉む君


スピードを上げゆく窓に雪の山輪郭溶けて白くかがやき


冬の田にその名の通り田を描き真っ直ぐ伸びた雪のあぜ道


雪国の寒さと違う東京のしんと冷えゆく我が足の裏

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千景万色堂について
Ayako Mani
万井綾子による個人レーベル。生活と思考の記録を、不定期で発信しています。
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